2012.11.19 16:15

【中小企業で働く学生を追う】ほめる大切さを伝える学生たち

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記者:吉本早希

「人をほめて伸ばしたい」。そう話す立命館大学1年生の清光陽介さん(20)は、将来教育関係の職に就くことが夢だ。そこで「ほめる達人」を輩出することを目的とした一般社団法人「日本ほめる達人協会(ほめ達)」(大阪市西区)で今年8月から約半年間のインターンシップを経験している。ほめる達人とは、目の前の人・モノ・出来事などすべてのことに独自の切り口で価値を見出しピンチをチャンスに転換する、価値発見の達人のこと。ほめることで、ほめた人もほめられた人も笑顔になりモチベーションが上がり、人も組織も元気になるという。
同協会のインターンシップ生は清光さんをはじめ立命館大学3年生の中根亮磨さん(20)、同大学3年生の水谷慶樹さん(21)、京都産業大学2年生の松本亮太さん(19)の4人。共に挑む課題は「ほめ達の考え方を学生に広めること」。同協会理事長の西村貴好さん(43)は「ほめ達の社会人向けのセミナーは早い段階から満席になることが多い。ほめ達は社会人には徐々に知られてきているが、学生の認知度は低いため、学生にもほめ達の考え方を広めたい」と話す。そのための第一歩として、10月17日に「一生モノのほめ達!プレゼン講座」を同市西区のセミナールーム「ウエルネスサプライ」で学生向けに開催した。

セミナー開催にあたり、清光さんらインターン生が苦労したのは「集客だった」という。集客のためには「ほめ達」の考え方の良さを多くの人に伝えなければならなかった。そこでインターン生らは伝えることの難しさを知ったという。「集客は簡単なものだと思っていたが、実際にやってみるとうまく進まず苦労し、ふだんの生活で友達を遊びに誘うこととはわけが違うことを知った」と水谷さんは話す。試行錯誤の末、ホームページに書かれている言葉で伝えるよりも「ほめ達」の考え方を学び自分がどう思ったかを自分の言葉で伝える方が、人に伝わることを知ったという。中根さんは「人に何かを伝える時は、表情も重要。西村さんはセミナー中も常に笑顔だ。相手が笑顔だと自然と自分も笑顔になり、相手に好印象を持つことで積極的に話を聞こうと思うようになる。笑顔で話すことの大切さを西村さんのセミナーでのプレゼンを見て気づいた」と笑顔で話す。

 インターンシップ生の指導を担当する同協会員の植本宰由さん(24)は「人の考えを受け入れる素直さ、何かをしようとする挑戦心をインターンシップ生から学んだ。インターンシップ後は、それぞれがイメージする、なりたい姿になっていてほしい」と強調する

 清光さんは将来、小学校高学年から高校3年生の児童・学生を対象にした塾を開き、生徒が経営者から話を聞いて社会や自分の将来を考えるきっかけづくりができる学びの場にしたいという。西村さんのセミナーには毎回多くの社会人が参加し、清光さんはスタッフとして参加する。そこで多くの社会人と接する機会を得られるため、出会った社会人に将来、塾で話をしてもらいたいという。「ほめ達の考え方を学び、一見どこにでもいそうな子供でもその子にしかない価値を発見し教えてあげられるようになりたい」と清光さんは話した。

(学生通信社 甲南大学 吉本早希)


〈取材後記〉
 インターン生から話を聞いていると、本当に考え方がポジティブだと感じました。特に「失敗はなく成功と成長しかない」という言葉が心に残っています。「人間万事塞翁が馬」をモットーにする54歳の父は、お目当ての食べ物にありつけなくても「ダイエット成功」と言えるような人間です。面白いぐらい何事にもポジティブなところを見て、私自身も、もっと人生を前向きに楽しもう考えるようになりました。今は人生のすべてが自分のプラスになると思っています。松本さんの「何でもポジティブに考えられるような、ポジティブバカになりたい」という言葉に共感しました。ほめ達でポジティブな考え方を習得できたからなのか、苦労話を成長できた経験談として笑顔で話すインターン生が印象的でした。

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記者プロフィール

吉本早希

吉本早希

役職 : -
卒業 : 甲南大学マネジメント創造学部
出身地 : -
誕生日 : 1991年8月10日
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