2013.06.03 07:36

【中小企業で働く学生を追う】「インサイトハウス(京都市)」編

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記者:大森裕斗

「自信をつけたかった」。そう話すのは大谷大学文学部国際文化学科4年生、山内芽衣さん(22)だ。不動産賃貸から建築・リフォームまで行う株式会社インサイトハウス(京都市山科区)で昨年8月から約半年間のインターンシップを行った。「己の成長につなげ世の中に役立つ人間として、人から感謝され、喜びを感じてほしい」と語るのは岡田治樹社長(37)。同社は「地域密着」をキーワードに、地域に根ざした不動産会社を目指す。

目標で有意義になった毎日

インターン生は山内さんの他に、立命館大学経済学部国際経済学科4年生、三葉晃大さん(21)、関西大学政策創造学部政策学科4年生、増田晴香さん(21)の2人。「いい街を作りたい」という岡田社長の考えから彼らに課せられたのは、同社所在地の山科のイメージを向上することだ。3人は地域に住む人々の魅力を発信していこうと「きょうのやましなさん」というお題で、地域に住む人にインタビューを行い、夢や想いなどそれぞれの物語を伝えている。「そのインタビューを読んだ人の気持ちが温かくなるよう、取り組みました」と山内さんは語る。

 偶然出会った人に、話しかけていくからこそ苦労したこともあった。山内さんは「悔しくて涙が出たこともあった」と話す。ある日、いつものようにインタビューをしようと若い女性に声をかけたが、返ってきたのは意外な言葉だった。「温かい物語で活性化はできない。学生が行動しても街は変わらないよ」。自分たちの活動を頭ごなしに否定された。「孤独死するお年寄りが多いなど、山科の問題点も伝えたらという指摘も受け、自分たちのインタビューの目的を見直すきっかけになった」と山内さんは振り返る。

 人と接するなかで学ぶことは多い。人の話を聞く際に斜に構える傾向のあった三葉さんは、岡田社長に「素直になれ」と言われ「話を素直に受け入れることで、相手をより理解できることを学んだ」と話す。「農園でインタビューした際に、取材相手と仲良くなって野菜をいただいたり、家に上げてもらったりしたことがあった。人と接する仕事が楽しい」と笑顔で話してくれたのは増田さんだ。

 仕事に慣れるにつれて緊張感が薄れることもあったが、3人で集まって仕事の話を共有することで支え合っていたという。インターン生らは同社を「アットホームな会社」と口を揃えて言う。インターン生たちを社員も温かく指導した。通常業務の傍ら、時間を見つけては彼らに会って話を聞いてくれたという。インターン生が書く日報には、岡田社長を含め社員の方が目を通しコメントをしたそうだ。

 山内さんがインターンを経験して変化したことは、日々の生活のなかでの目標に対する意識だ。目標を持つようになり、それに向けてやるべきことが見えたので、毎日を有意義に過ごせるようになったという。また、インターンを通して100人近くの人を取材してきた山内さんは、自分に自信を持てるようになり「将来は人と接する仕事をしたい。インターンに参加したからこそ得られた出会いや経験があり、世界が広がった」と話した。

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記者プロフィール

大森裕斗

大森裕斗

役職 : -
卒業 : 同志社大学文学部
出身地 : -
誕生日 : 1992年3月9日
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