2014.04.17 16:39

【学生記者が行く】「財コンサルティング」稲葉充社長に聞く

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記者:学生通信社

資産運用の助言やセミナー事業を行う財コンサルティング(大阪市北区)は、将来の生活に不安を抱える人に向けた投資教育セミナーや、1万人以上のクライアントに対するセミナーを定期的に開催している。「投資はギャンブルではない」と語る稲葉充社長に投資の考え方や起業の経緯、今後の展望を聞いた。

――投資教育セミナーとは

 「貯蓄や投資などの資産運用と、マネーゲームと称される投機や賭博との違いや、単利運用と複利運用の違い、保険の使い方など、資産を守り殖やすための基本的な知識を教えている。結婚、出産、子供の進学、老後など、お金が必要になる節目は多い。今は雇用環境も変わり、終身雇用も年功賃金も保証されず、少子高齢化で年金制度も不安定。正社員の平均年収を下回る小口のクライアントも多いが、それぞれの資産を守って充実したライフプランを達成してほしいと考えている」

 

――なぜ投資が必要なのか

 「株式や債券などの元本が保証されない商品で運用する投資は、元本が保証される預貯金や保険などよりも危険だと思われ、日本では敬遠されている。短期的に見ればそれも間違っていない。しかし長期的にみると、今より豊かな生活を望んで働く人がいる限り、企業の業績は向上し、株価も上がるはず。それにより消費者の購買力は上がり、物価も上昇する。今のように、全く利息のつかない貯蓄だけではお金の価値は目減りするばかり。短期間で使うお金を貯蓄し、長期間使わないお金は投資するという使い分けが必要だ」

 ――起業した経緯は

 「1983年に大学を卒業後、証券会社に就職。間もなくバブル経済に突入した。営業成績も順調で、出世することしか考えていなかった。しかし91年にバブルが崩壊し、その会社が大口のクライアントの損失を補填(ほてん)していたことが社会問題に。お金持ちを優遇する証券業界と、クライアントのことを考えない自分の働き方に疑問を感じた」

 「お金に不安を抱えている人を安心させるために働く方が、社会的価値もやりがいも大きいと考え、92年に退職。お金に対する知識を深めようと、会計事務所に研修生として7年間勤め、99年に財コンサルティングを立ち上げた」

 ――クライアントへの助言は

 「投資には、定時定額で継続的に投資する『ドルコスト平均法』や、資産を分散させる『現代ポートフォリオ理論』などの方法があり、クライアントがそれらを使いこなせるように指導している。リーマン・ショックの直後には『運用資産が大きく元本割れしたから、月々の買い付け金額を減らしたい』と相談を受け、第2次安倍内閣による金融緩和直後には『株価が急上昇しているから買い付け金額を増やしたい』という声が多数寄せられた」

 「短期的な値動きを予想し売買を繰り返すのは投機。一時の値動きに惑わされず、当社の考えを理解して毎月投資を継続しているクライアントは08年に起きた100年に一度の金融危機、リーマン・ショックを経験しても、ここ10年間の平均年利4.5%を達成している」

 ――今後の展望を

 「日本は約1500兆円の金融資産のうち約5割が現金や預金で、欧米の2、3割に比べて非常に高い。もし資産の1割でも新たに投資に流れれば、年利5%で7兆円以上の富を生み出せる。『貯蓄から投資へ』の流れを生み出し、日本経済を活性化させていきたい」

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