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「当社は笑顔を創る製造業です」。イベント企画会社「シューティングスター」（兵庫県尼崎市）の代表取締役、錦野誠さん＝写真＝はそう語る。現在は自社のイベントを通じて人々の笑顔を生み、その笑顔を他の誰かに伝えられるような人材になるよう努めている。同社の講座のひとつ「恋愛劇場」は現役で活躍する俳優が講師となり、俳優訓練のシステムとして開発されたプログラム“インプロビゼーション＝即興ゲーム”を行う。参加者は恋愛に必要不可欠な「相手のことを理解し、自分自身のことも素直に表現する」力を養うことができる。つまりシナリオなしでアドリブで状況に対応できる力を養うわけだ。参加者からは「普段の自分ではできないアクションができて恥ずかしかったけどスッキリした」と声が寄せられるという。他にも同社の講座やセミナーは多岐にわたるが、共通するのは「楽しみながら、社会で必要なコミュニケーション力を高めてほしい」（錦野さん）という思いだ。


　「学生の頃から起業したいという思いはありました」と錦野さん。大学卒業後、商社などで営業マンとして過ごしたが、２年前に自分の夢を実現したいと会社を辞め、現在の会社を立ち上げた。今は、個人だけでなく企業や法人からも講座依頼がくるようになったという。錦野さんは「社会に必要とされる個性を持つ企業であることが大切です」と語る。


　錦野さんは今月２３日、宝塚商工会議所で「第３回地域ビジネス創出支援講習会～起業に自信がもてる！～」を行う。起業家向けの講習会を行うのは「個性を磨き、それを上手く伝えることのできる経営者や企業を輩出したい」という思いがある。講習会では、現役の俳優と企業の広報活動を支援する会社社長の２人を講師に招き、俳優の訓練の手法などを取り入れて起業する際の心構えや、開業後の情報発信の方法を学ぶ。

　
「宝塚は歌劇のおかげで全国的な知名度は高いものの、何か名産品があるかといえばあまり思い浮かばない」と錦野さんは語る。ここ数年、起業する人は増えてきており、新たな名産品を生むことで、高い知名度を獲得した地域も少なくない。「元々、宝塚はイメージの良い町。ブランド力もあるはず。講習会を通じて、ぜひ宝塚の地域活性化に貢献するような企業が生まれてほしい」と錦野さんは語った。


講習会の詳細は＜http://www.takarazuka-cci.or.jp/zinzai/seminar/20120623/index.html＞

日時：平成２４年６月２３日（土）１３：３０～１６：３０　（受付１３：００～）
場所：宝塚商工会議所　６階会議室　宝塚市栄町２－１－２　ソリオ２
参加費：無料
申し込み：６月１５日（金）までにファクス（０７９７－８４－３６１８）で講習会のチラシ裏面にある申込書を送信する。定員（５０人）になり次第締め切る。
問い合わせ：宝塚商工会議所中小企業相談所（電話０７９７・８３・２２１１）


（取材後記）
「自分の特性を生かせているだろうか」。取材後、このことを強く思うようになった。個性が社会的であるべきという考えにも共感した。私自身も大学で経営学を学ぶ身として、将来はぜひ起業したい。しかし、多くの起業家が壁にぶつかり事業を数年でたたんでしまうという現実も一方にはある。「起業すること自体が目的になってはいないだろうか、世のため人のためを考えているだろうか」改めてきちんと考えてみようと思う。

（取材：学生通信社　関西学院大学　橋本翔一朗）