梅南鋼材の強みは、鋼材の加工・調達を1個の注文から引き受け、顧客が最も後工程のしやすい状態で届ける「プラモデル納品」だ。図面や現物を見て切断や曲げ加工、孔開けなど求められる前工程を全て同社で引き受ける。顧客は届いた部品をプラモデルのように組み立て、溶接をすれば完成だ。一社一社に合わせた供給を提案することでトータルコストの低減を可能にした。プラモデル納品を始めた経緯を堂上勝己社長(60)は「厳しい環境にある日本のモノづくりを元気にしたかったから」と話す。社内には、社員の要求を解決する五つの委員会がある。ビジョン委員会は社員全員が同じ方向で進んでいけるように、日々会社の将来像を考えている。親睦委員会は社内旅行の計画や食事会の企画。快適職場委員会は社員が気持ちよく働けるように職場環境の整備をしている。広報委員会は不定期に社内報を発行。社員紹介や近況を掲載している。エコアクション21委員会では、環境省のエコアクション21ガイドラインに基づいた取り組みを実施。具体的には地域の清掃活動、ペットボトルキャップ回収活動などを行っており、消費電力削減のためにLED照明も導入した。
比較的男性が多い鋼材卸、鋼板加工の業界の中で、同社は女性社員も課長や部門長に就いている。女性社員が活躍できる環境が評価され、平成20年度大阪市きらめき企業賞を受賞。「女性の細やかな視点を大切にしている」と堂上社長は話す。
来年度の採用は高卒2人、大卒1人を予定。いろんな個性を持った人を求めている。「他の企業では明るく元気で発想豊かな人が求められるが、寡黙で元気がない人でも大丈夫。うちの会社に入れば元気になるよ」と堂上社長。就職活動中の学生に対し「大企業、中小企業も関係なく、仕事を通してどう社会に役に立つかが大切。仕事に誇りを持ってほしい」と話した。
(同志社女子大学 田中茉希子)
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