パソコンやIT(情報技術)のスキルを教える「KENスクール」を大阪・梅田など全国7カ所で運営するシンクスバンク(東京都千代田区)。初心者からプロフェッショナルまで、幅広い受講生と情報が集まるプラットホームとしての教室づくりに力を注ぐ。谷口升太社長に経営や梅田校の特色などを聞いた。
――会社設立の経緯は
「KENスクールはもともと、株式会社ケンソフト(東京都渋谷区)が運営していたが、経営状況が芳しくなく、2012年7月に当社へ事業を譲渡した。同月に知人の紹介で当スクールの講師と会い、引き受けた。講師と顔を合わせたとき、熱意と情熱を持った人たちだと思い、一緒に仕事をしたくなった。課題に取り組み、スキルを磨く受講生の姿を見ると、この環境を失ってほしくはなかった。代表就任時には、すでに熱意や情熱のある講師がそろうスクール自体はあり、自分が最後に代表として加わっただけ。『社長業』は偉い仕事ではなく役割の一つだ。ただ『社長業』は自分に合い、やりがいのあることだと思う」
――スクールの特徴は
「ITの基礎スキルからプログラミングなどの高度なスキルまで、幅広いカリキュラムを提供する。受講生は20代後半から30代前半の就職や転職希望者が多い。集団授業では受講生が授業についていけるか不安になりがちだが、個別指導を行うことで、生徒一人一人の疑問や質問に向き合っている。またスケジューリングやカウンセリングといったサポートを行い、就職や転職など個々の目標に向けたアプローチも一緒に考える」
――大切にしていることは
「自信を持って行動すること。勇気がある人は自分を信じ、思ったことを行動に移すことができる。私は人を見る目に自信がある。その自信があったからこそ、スクールの講師が素晴らしいと感じ、KENスクールを引き受けた。もうひとつ大切なことは、実際に経験をすることだと考えている。自分自身を『社長業』のプロフェッショナルだとは思っていないが、『社長業』を通して16社の企業に関わってきたという経験が、今の自信につながったと思う。実際に経験をすることによって座学では学べないことを得られた」
――関西での取り組みは
「梅田校では大阪駅前のヒルトンプラザウエストに教室を構えるなどロケーションにこだわっている。大阪駅というターミナル駅に教室があることで、多方面から受講生が通うことができる。教室をガラスで仕切ることで開放的な場をつくり、受講生の学習意欲を高める工夫がある。受講生の交流会を開催するなど、出会いの場となることを目指す。関西独自のカリキュラムとしては、初心者でも受講できるスマートフォン用アプリの作成講座などを考えている。特に仕事上の知人はいても、親友と呼べる関係は少ないように思う30代から40代の人に、このカリキュラムを提供したい。業種を超えた出会いの場を提供することで、人との交流を増やし、より良い人生を送ってほしい」
――今後の展望は
「ITの教育ビジネスは、情報と人が集まるプラットホームビジネスになることが重要だと考えている。特に梅田校ではその特色をより出したい。梅田校をさまざまな人が出会う教室にしたい。今まではスキルがない人でもIT業界で働けるようなカリキュラムに注力してきたが、ITのスキルは最低限であっても、そこで人と人との出会いがより増えるようなカリキュラムを増やしていきたい」
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