「新しいものを自分で生み出し、広めることが好きでした。今の仕事もそうです」そう語るのは株式会社らしさラボ(東京都品川区)の代表取締役、伊庭正康(いば・まさやす)さん(44)。1991年に、アルバイトをしていたリクルートのグループ会社に就職。その後は、リクルート社で年間全国トップ表彰をプレイヤーとマネージャーの部門で計4回受賞。営業部長を経て、関連会社であるフロムエーキャリアの代表取締役を歴任した。2011年に独立し、株式会社らしさラボを設立。現在は前職での経験を活かし「相手の問題を解決する」営業コンサルタントを行っている。学生時代の話や独立までのプロセスについて聞いた。..
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=どのような学生生活を送っていましたか..
大学では経済学を学び、軽音サークルに所属しながら.
ビアホールでアルバイトをするといった生活を送っていました。.
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就職活動の前、自分を見つめ直したことがありました。.
人と話すことが苦手で、アピールできる経歴がない。.
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その反面「将来は自分でビジネスをしたい」と思っていたので、.
人より早く社会に出て自信とスキルを身に付けようと考え、.
大学3年生の3月からリクルートのグループ会社で営業のアルバイトを始めました。.
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多様な業種の人々に会えるこの仕事での経験を通して、.
自分に向いているビジネスを見つけたいと思ったのも理由の一つです。...
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=アルバイトの経験から学んだことはありますか..
働くうちに.
「自分はノルマを達成することよりも、キャッチコピーやコンセプトを作ることで、.
会社を『美味しそうに盛り付ける』ことに面白みを感じる」ことが分かりました。.
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アルバイト先への就職を決めたのは、.
お客様の思いや自分自身を表現することを仕事にでき、.
かつ「一緒にやろう」と言ってくださった上司の熱意や人柄に惹かれたからです。.
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アルバイトでの経験を通して.
「自分は表現することやプロデュースが好きだ」と気付けたからこそ、.
独立までの20年間働き続けられたのだと思います。...
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=入社後の気付きはありましたか..
飛び込み営業をしていましたが、.
最初は「忙しいから帰ってくれ」と言われ、.
パンフレットを渡して再び訪問しても「しつこい」と言って断られました。.
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「しつこい」を「熱心」に変えたい。.
両者の違いを考えたとき、.
自分の行いを「ありがたい」と感じてもらえるかどうかだと思いました。.
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こちらが伝えたいことだけでなく、.
相手のためになる情報も同時に提供したところ、.
取り合って下さるお客様が増えました。.
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「売り込むのではなく、相手の問題を解決することこそが営業だ」.
と気付いたのはこの時です。...
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=独立という考えに至った経緯は..
27歳のとき、.
すでに周囲には営業コンサルティングの会社を立ち上げたいと話していました。.
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営業活動を通して見えてきたソリューションをお客様に提案し、.
評価される度に.
「自分にはコンサルティングの筋肉がある。これを生かしたい」.
と思うようになりました。.
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独立を選んだのは、会社の方向性に縛られることなく、.
表現の場を広げていきたかったからです。.
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一方で、マネジメント経験の浅さを感じていたので.
「独立するのは、成功体験だけでなく、.
挫折から立ち直る方法も語れるようになるまで経験を積んでからにしよう」.
と考えていました。.
=学生に一言お願いします..
「良い会社に入りたい」と思うよりも、「自分が良い会社にしよう」という考えを持っていた方が面白いと思います。.
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仕事はあくまでも自分を表現するツール、活躍の舞台です。.
歌手が売れない時代にみかん箱の上で歌っていたという話をすることがありますが、.
どんな舞台でも、最高のパフォーマンスを発揮しようとすれば、周囲の人々との間に信頼が生まれ、大きな仕事を任せてもらえるようになります。.
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これはどんな職業についても言えることだと思います。..
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