ステンレス製バルブ、特殊継手の設計と製造を行う。特徴は、海外工場で製品を8割程度まで作り、残りを国内工場で完成させることだ。日本独特の風合いを出し、納期にも迅速に対応できる。国内で完成させるため、最終的な品質に責任を持つことで、顧客満足につなげている。作り手の都合ではなく、顧客の立場を考えることを重視し、個々の顧客に応じたオリジナル製品の開発・製造に力を入れている。
同社には「考働」というオリジナルの言葉がある。「人は考えて働かないといけない。言われたことをやるだけでは作業であって、仕事ではない。考えながら働くことで仕事は改善され、新しい物も生まれる」と土井靖士社長(48)。「うそをつかず誠実に考働する」など4つの考働指針を、社員全員に浸透させる社員教育に励んでいる。
モチベーション向上策として、限界利益ボーナス制度を導入。夏と冬のボーナスは通常の支給率だが、決算月には別に限界利益(売上高から原材料費などの変動費を引いたもの)の増加分を支給している。毎月の経費を社員全体に公開し、利益と経費の増減を意識させることで「経費を減らし、利益を増やす努力をするようになる。ボーナスは自分たちで獲得するものという意識を社員全員が持たないといけない」(土井社長)。
短期間で離職する若者については「会社が自分に合わないという話を耳にするが、自分が会社に合わせようと努力をしたのだろうか。与えられた環境の中で自分のやりがいを見つける必要がある」と指摘する。
現在50人が働いており、2010年は2人、2011年は3人を採用。今年も3人程度の採用を予定している。土井社長は「筆記試験を行うが、学歴は関係ない。最終的に面接を通じて、意欲、知識、姿勢の三つのバランスを考慮して判断する」と話す。
(立命館大学 北村洋樹)
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