関西の学生たちが中心となって立ち上げた学生団体「UCP」(Undergraduate Consulting Project)は、中小企業と学生が連携するきっかけを作るためのイベント「夢造(ゆめぞう)」を企画、運営している。メンバーがインターンで知った中小企業の魅力や可能性を、多くの就活生に知ってもらうことを目的としている。
設立のきっかけは、「お世話になった中小企業への恩返しをしたい」という思いからだ。メンバーの多くが中小企業でのインターンでその魅力に感動した。社長の働く姿を近くで見ることで仕事観を学び、それぞれ魅了されたという。
大阪府立大学4年生の丸毛拓郎さん(22)は、中小企業で働くことで得られる感動を、多くの学生たちに発信していくため同団体に参加している。「尊敬できる人がたくさんいる、チャンスもたくさんある。多くの就活生の選択肢に中小企業が加わればうれしい」と丸毛さんは話す。
同イベントは、プラスチック切削加工などを行う企業「プロトワーク」(大阪府守口市)と共同して行われた。同社の自社製品である「かたポン(液体用ポンプ)」の第二弾を作るためにアイディアプレゼン大会を「夢造~yumezou2011~」と題して昨年8月に大阪で開催した。
参加したのは11チーム。その中から優勝に選ばれた龍谷大学の「濱ちゃんズ」は、実際に企業と共に開発に挑み、新商品の「えこポン」を完成させ、販売を開始した。
同イベントの参加者を募集する際に「企業が学生を使っているだけ」「インターンと変わらない」と周囲から厳しい意見が出た。意識の統一の難しさもあり途中でやめる学生もいた。
その上で、同団体がこだわっているのが、製品開発やイベントの開催など形ある結果や価値を残していくことだ。メンバーの共通理念に「結果にいたる行動こそが魅力に繋がる」というのができた。
今年10月に開催を予定している「夢造~yumezou2012~」も昨年と同じくアイディアプレゼン大会。参加する企業の数を増やして、企業と学生が一対一で仕事ができるきっかけをつくり、多くの成果を生み出せるイベントを目標にしている。(オルタナS関西支局特派員=津村朝光)
UCPホームページ:http://ucp2011.jimdo.com/
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