2012.10.09 19:39

「グラント」 山崎元彰社長に聞く

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記者:津村朝光

ERP(統合基幹システム)と呼ぶ会社情報を効率的に管理するシステムのコンサルティングを手がけるグラント(大阪市北区)。山崎元彰社長に起業のいきさつや、新たに開発した管理システムについて聞いた。
趣味があるからこそ仕事が続く

――起業の経緯は

 「いくつかの会社を経て、システムエンジニアの仕事を始めたとき、高級外車のフェラーリを購入することを目標に決めて仕事に励んだ。しかし、その会社では課長でも国産中古車に乗っていることを知り、『ここではフェラーリが手に入らない』と思い、25歳の時に会社を辞めた。先輩より稼いだことでいじめられたこともあり、当時の年功序列の社会に疑問を持つようになったのも理由にあった」

 「その後、歩合制で実力次第の仕事にひかれ洗剤の訪問販売を始めた。仕事を通して人付き合いの大切さを知ることができ、今振り返ると以前の仕事より短期間で多くを学んだ。その後、システム会社を経て1995年に会社を興した」

 ――起業では苦労もあった

 「方針の違いからシステム系の会社を退職し、1人で働かざるを得なくなって起業した。営業も技術も、すべて自分だけでやるスタートだった。ERPの仕事は、ビジネス誌に書いてあるのを読み、できると思った。大手企業に飛び込み、ERPの概念を熱く語り仕事をいただきながら、古い友人にコンタクトを取り、1人また1人とメンバーを迎え入れた。現在社員は契約社員を含めて40人になった」

 ――仕事を続けられた理由は

 「高校生の頃に読んだジョセフ・マーフィーの成功理論を実践している。趣味の世界やライフスタイルでも、具体的な成功のイメージを潜在意識に植え付けるトレーニングを続けてきたおかげ。起業したときにコルベットという米国車を買った。それをチューンアップしていくのにとにかくお金が必要だった。だから頑張れた。真剣な夢の実現には、真剣な仕事が必要だ」

 「自分にとって車は成功イメージ。コルベットを1500万円で譲ってほしいといわれたが、過去の苦労を思い出し、涙が出て断った。趣味や物など仕事以外に努力する人は具体性のある目標を立てやすく、どんなことでも頑張れると思う。沖縄でサバニという舟のレース活動も行っている」

 ――現ビジネスの特徴は

 「独自の電子投票システム『e投票シリーズ』を開発した。投票やアンケートなどを、スマートフォンやパソコンから行い、即時集計できる。以前、自分がマンションの理事長をやっていたときの経験から生まれた。管理会社の変更を検討する際、候補とする管理会社に協力する住民が、他の住民に賛同を迫ることがある。住民集会の際、意見を言いたくても人間関係がこじれるのが嫌で言えなかったりと問題が多い。それを解決したかった。社団法人や学会、労働組合等での総会や選挙にも応用し、情報システムの新しいスタンダートを狙う」

 ――今後の夢を

 「付加価値の高いシステムを生み続けていきたい。システムの世界はどんどん変化しているので、この業界の人間は勉強を止めたら終わり。小さめでも高い技術で豊かな会社を目指す。もちろん、趣味の世界も夢を実現していく。アウトドアの活動として、世界中の海山の冒険旅を計画している」



※「フジサンケイ ビジネスアイ」2012.10.8 (日本版)掲載

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記者プロフィール

津村朝光

津村朝光

役職 : 報道部
卒業 : 京都学園大学人間文化
出身地 : 岡山県備前市
誕生日 : 1990年4月5日
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