1992年創業で、ハトメやホックなどアパレル関連パーツの卸売り・輸出入を行う社員40人の会社だ。仕入れ先メーカーの商品販売や、メーカーとの共同開発を行っている。ベビー服などの衣類に用いるプラスチックホックは国内市場の30~40%のシェアを誇り、同社の売り上げの半分を占める商材だ。野球のスパイク金具や紐(ひも)などシューズやバッグに使われるパーツなども取り扱っている。
同社は「夢」を大切にしている会社だ。「得意先、仕入れ先などの関係者や消費者、何より社員の幸せを追い求めること、そして会社も社員も一度決めた夢を実現すること、それが会社の理念のひとつだ」と梶浦昇社長(47)は話す。
今後の会社の夢は、ベビー服用のプラスチックホックを世界に広めることだ。現在でも世界の90%以上は金属製ホックを使用しているが、ホックの形状に鋭い突起が数本あり、まれに表出することがある。「素材面、形状ともにプラスチックの方が安全性は高い。赤ちゃんの健康を考えれば、より良い資材を届けるのがパーツ屋の義務だ」と梶浦社長。既に国内のベビー服は、多くがプラスチック製ホックを採用。「今後はヨーロッパや米国、中国、そしてASEAN諸国に広げたい」と語る。
同社は定期採用を行っていないが、昨年度は留学経験がある2人を採用。本年度入社した乾夏子さん(26)は「海外営業部5人のうち、2人が新入社員。社長からは思うようにやってほしいと言われている。今はプラスチックホックのみを扱っているが、今後はいろんな提案ができるようになりたい」と仕事の目標を話した。本年度の採用予定はなく、来年1、2人程度行う方針だ。同社の扱うホックを売ることにやりがいを感じ、経営理念に共感してくれる人が採用の大前提。その上で語学力のある人を求めている。
「大企業とは一つの商品、プラスチックホックにかける思いが違う」と話す梶浦社長。視線の先には、世界中の赤ちゃんが健やかに過ごせる社会がある。
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