地球環境に配慮した生活を考える「エコ賢い暮らし方節約術セミナー」が先月15日、大阪市北区菅原町のカフェ「NOSTRA」で開かれた。天然素材を使った住まいを提案する「ゆいま~るClub」(同市北区、加藤栄代表)の主催で、環境先進国と呼ばれるスウェーデン出身の環境コンサルタント、ペオ・エクベリさんを講師として日本でも実践可能な母国の生活を紹介した。
ペオさんは来日21年目で日本人の妻と「エコ賢い」生活を実践している。1カ月に自宅から出るごみはサッカーボールほどの大きさで、電気代を月2500円未満に抑えているという。セミナー冒頭で、ペオさんは地球資源がこのままでは枯渇するという現状や、地球サミットなど国際的な環境への取り組みを紹介。このあと暮らしの中でできるごみを減らす工夫や節約の方法を説明した。そのひとつが蛇口の上の壁やシャワーヘッドに生物の両目を模したマークをつける試みで、視線を意識する習性を利用している。
「節水の必要性に気づくことで10パーセントは削減できるというデータもある。『見つめられている』と感じることで、『節水に注意』という壁紙を貼るよりも楽しんで節水できます」とペオさんは語る。
ゆいま~るClubは、石油などに比べ、成育して利用できるまでに要する年月が短い木材などの建材を使用することなど、3つの条件を設けて持続可能な環境に配慮した住宅を提案している。その建材の一つである天然の無垢のフローリングは、足元から体温が木材に伝わり、真冬に裸足で歩いても冷たさが軽減されるという。実際、無垢のフローリングと、一般的にマンションなどで使われる合板フローリングに片手ずつ触れた参加者は、「合板フローリングの温度は変わらないけど、無垢の方がだんだん温かくなっている」と声を上げた。
健康にも地球にも良い、家と生活について学べたこのセミナー。「人生の約3分の1を過ごす家での生活を考えるきっかけにしてほしい」と加藤代表は語った。
【取材後記】
今回の取材で「エコ賢い(eco smart)」という考え方を初めて知りました。地球で持続可能な生活を営むために、環境に良く(ecology)、経済的な(economy)、賢い(smart)判断をしていくという意味だそうです。家の購入は、人生で最も大きな買い物の一つである。その時に「エコ賢い」決断をするのは、将来の地球環境のためにも大切なことではないでしょうか。私の場合は、まずは下宿先の洗面所の蛇口上部に、2つの眼の形をした市販のシールを貼ることから始めました。
(取材:学生通信社 同志社大学 徳永裕也)
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