2014.04.22 12:13

【学生記者が行く】「ビッツクリエート」松永健一社長に聞く

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記者:富永祐生

2000年に創業したビッツクリエート(大阪市西区)は、企業の広告や販売促進に関わる企画やデザイン、編集などを手がけている。社員の大半を占めるデザイナーの育成を重視し、ノウハウを蓄積させるため長期契約が見込める顧客を中心に受注。「当社では顧客名や実例を公表していないが、それもデザイナー育成を考えた結果だ。社員が主役で社長は脇役」と語る松永健一社長に、人材育成や今後の目標について聞いた。


――会社設立の経緯は

 「学生時代はサービス業を志望していたため、旅行会社で3年間働いた。その後、自分の関わった商品が多くの人の目に触れることに魅力を感じ、広告制作会社に転職した。16年間勤務したが、営業担当として顧客とデザイナーの調整役を務めるうちに、商品をつくることではなく人を育てるのが好きだと自覚し、当時の部下2人を連れて独立を決意した」

 ――社員の育成について

 「社員には広告をつくる創造力と、顧客の要望に応える対応力を身に付けさせている。一般的な広告制作の手順は、営業が顧客と交渉し、デザイナーが営業の指示を受けて広告を制作するが、当社では営業が行う業務の一部をデザイナーなどの技術者が行う。技術者本人が顧客のニーズを正確に把握することで、適切な提案ができるからだ」

 「社員には一つの分野を集中して担当させている。たとえば自動車部門担当の社員には、ひたすら車を売るためのノウハウを蓄積させる。各業界のスペシャリストを養成することで、顧客と経験や知識を共有でき、信用と信頼につながる。できるだけ契約は長期で受注し、デザイナーが仕事に集中できる環境をつくっている」

 ――長期契約を得るため、重視していることは

 「企業規模の保持および拡大だ。当社は社員数26人と、近畿圏の同業他社に比べても多い。実績を外部に公表していないが、顧客からの紹介で受注の大半をカバーできている。個人での仕事の受注が難しくなってきている広告制作業では、企業規模の拡大が受注増加に直結している。顧客と直接話し合うことの多い仕事として、立地にもこだわっている。駅から近い一等地に会社を構えれば、顧客に移動時間を取らせないし、信用にもつながる」

 ――業績を公表しない理由は

 「業績で偏見を持たれないようにするためだ。当社に興味を持ってもらえた場合、まず連絡をもらい、打ち合わせの上で相互のメリットを判断して仕事に入るスタンスを取っている。重視している社員育成につながらないことも理由の一つ。ひらめきや感性だけで奇抜な広告を制作するのではなく、長期にわたる仕事の中で、売り上げにとどまらないさまざまなメリットを顧客に提案できる広告づくりをしていく」

 ――今後の目標は

 「事業拡大を検討している。事業継続計画をかんがみて他府県へ支店を設置することや、ベトナムに現地法人を設立することも視野に入れている。東南アジア諸国連合(ASEAN)では国民の平均所得が年々上昇しており、今後の発展で商品が飽和していく見込みがある。他の商品と差別化し、販売を促進するための仕掛けとして広告宣伝が必要だ。世界でも通用するような、汎用(はんよう)性の高い広告戦術をさらに研ぎ澄ませていきたい」 

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記者プロフィール

富永祐生

富永祐生

役職 : 報道部デスク
卒業 : 関西学院大学社会学部
出身地 : -
誕生日 : 1991年3月25日
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