2013.01.14 16:24

「バリューマネジメント」の他力野淳代表に聞く

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記者:高木つばさ

バリューマネジメント株式会社(大阪市北区)は事業再生のコンサルタント会社だ。マネジメントの力で世の中の価値あるものを残していく。「関わる全ての人々に幸せを届けたい」と語る他力野(たりきの)淳代表に、起業までの道のりや今後の展望について話を聞いた。
 ――起業までの道のりを

 「10代のころから、30歳で起業しようと決めていた。20代で営業について学ぼうと決めて、ある大手広告代理店で結婚情報誌の営業・メディア企画業務を担当した。仕事をするうちに、ウエディング業界の強みや問題点、顧客のニーズや、働き手の思いを捉えることができるようになり、マーケットが見えてきた。同時に周りの会社が次々と倒産していくのを見て、共通点を考えたとき、経営の力が弱いことに気がついた。経営の部分を担うことによって、世の中の価値ある商材や文化、会社が存続していければと考え、2005年に起業した」

 ――業務内容は

 「結婚式の企画・運営に取り組む一方で、人材開発や事業再生のコンサルティングを行っている。そのほか、直営店でトライアルを行い、チャレンジを繰り返すことで、完成品を作り出す。その一部を運営能力や営業のノウハウがなく、苦戦している会社で実践する。会社の価値を見いだし、再生を行うだけでなく、業界全体の変革を目指す」

 ――ウエディング業界の現状は

 「提供されるサービスの質の低さなどが原因で『結婚式離れ』が起きている。結婚適齢世代の減少に伴って市場規模が縮小しているこの業界は、今が改革の時期だと思う」

 ――どのように改革を

 「人材教育に力を入れている。3カ月に1度、全従業員がスキルチェックを行う。自身の強みや弱点を、パートごとに細かく区切ったロールプレーイングの中で把握する。各自が課題を設定し、練習を重ね、改善に努める。また、顧客との信頼関係の構築のために、顧客の性格や特性を十分に研究し、一人一人に合った提案を行う。結婚式の料理は全て手作りで、調理法や提供のタイミングにもこだわり、参加者全員の記憶に残る結婚式を作り上げている」

 ――経営で大切にしていることは

 「27歳の時、ある企業の関西支社支社長に就任した。そこでは、自身のハイペースについていける人とついていけない人とで完全に二極化した。起業を目前に考えたことは、いろんな人の力を借りて、価値のあるものを提供していきたいということ。それぞれのペースを大切にして、従業員一人一人が輝くことができるフィールドを作り出す。このため、月に一度、全社員が集まって、ミーティングや研修を行っている。顔を合わせ、進捗(しんちょく)を報告し、ゴールを確認することで、常に組織が一丸となり同じゴールに向かって走っている」

 ――今後の展望を

 「マネジメントの力を土台に組織や商材を再生させたい。その過程の中で関わる顧客、関係会社、スタッフなど、周りの全ての人々の発展に努める。ものやサービスが本来持つ価値を最大化させることのできるオペレーター集団を目指す。高い経営力で、伝統的な施設を結婚式場や宿泊施設として世の中に残していく。こうしたビジネスを中核に置くことで、地域外から人が集まり雇用が生まれる。最終的に周りのビジネスも潤い、地域全体が盛り上がる仕組みを作っていきたい」

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記者プロフィール

高木つばさ

高木つばさ

役職 : -
卒業 : 武庫川女子大学文学部
出身地 : -
誕生日 : 1992年1月25日
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