2012.10.11 19:13

住民の笑顔で都市再生を「水都大阪フェス2012」13日から

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記者:服部英美

 水都大阪の再生を目指す取り組み「水都大阪フェス2012」の「チャレンジウィーク」が13日から21日まで中之島公園など大阪市内各地で行われる。一般公募で選ばれたプログラムも用意されており、立ったまま漕ぐことのできるバドルボードを使用した水上散歩など住民によるアイデアが取り入れられている。 

 フェス会場の清掃などイベントを支えるのはクリーンサポーター。大阪を「笑顔あふれる」まちにするプロジェクト「笑働OSAKA」の象徴として結成され、メンバーはボランティアの学生が中心だ。「笑働OSAKA」は大阪府が2年前に始めた取り組みで、「笑顔になること」「笑顔にすること」をさまざまな立場の人が協働するための原動力ととらえ、産学官民それぞれが強みを生かしながら活動する。清掃などの地域活動をしている人々に、周りの人が感謝を表し、その活動をさらに多くの人々に伝えていくなど地域を良くする行動によって、一人一人の意識の変化を促し、笑顔の輪を広げていく。


 大阪府は、市民団体や企業が行政と協力して、道路や川などの清掃活動や緑化活動を行うアドプト・プログラムを2000年から行ってきた。和泉市内田町では河川改修によって生み出された河川敷で、高齢者中心の自治会が草刈りや羊の世話をした。その姿を子ども会や青年団が見て活動に加わり、協働の連鎖が生まれた。この活動で人々の交流が深まり、不登校児や孤独死する人が減るなど、さまざまな面で地域の魅力が向上し、人々の笑顔が広がってきたという。笑働OSAKAを推進する大阪府都市整備部事業管理室防災環境グループ副主査の梶間千晶さん(37)は「草刈りが単なる地域活動ではなく、人々の笑顔につながることを伝えたかった。そこで、アドプト10周年を機に、協働の輪をさらに広げ、みんなが笑顔になる仕組みとして笑働OSAKAを打ち出した」と話す。

 総務省によると2005年を境に人口が減り始め、税収が減少しており、今後は住民が行政サービスを担っていくことが求められる。そのためには住民が活動に参加しやすいプラットホームづくりが必要だ。府防災環境グループ課長補佐の井上英樹さん(48)は「行政と府民という関係ではなく、人と人のつながりを大切にしていきたい。「水都大阪2012」で、活動に参加している人だけでなく、それを見に来る人とのつながりができることにより、一人一人の意識が向上して一体感が生まれ、一つの地域活動だけにとらわれない枠組みができていけば」と語った。

(学生通信社 大阪大学 服部英美)


水都大阪フェス2012
【期間】水都大阪フェス2012チャレンジウィーク 2012年10月13日(土)~10月21日(日)
*「水都大阪フェス 2012」は「トライアルマンス」として2012年10月中開催
【場所】中之島公園、八軒家浜、大阪府立江之子島文化芸術創造センターなど
問い合わせは、水都賑わい創出実行委員会事務局(http://www.osaka-info.jp/suito/
電話 06・6282・5902
「水都大阪フェス2012」ホームページ :http://www.osaka-info.jp/sui


〈取材後記〉
 実家で暮らしていたころは、子ども会や町内会を通して清掃活動などに参加していたが、大学に入り一人暮らしを始めてからは隣近所とのつながりや地域への愛着がなくなり、地域活動から遠ざかっていた。地域活動を一過性で終わらせず永続させていくためには、一人一人が地域住民としての自覚を持つことだけでなく、新しい土地でも地域活動に参加できる仕組みと多方面からの情報発信が必要だ。活動をしている人に感謝し、活動を周りに伝えるという笑働OSAKAの取り組みは、私たち一人一人ができる地域活動への初めの一歩だと思う。

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記者プロフィール

服部英美

服部英美

役職 : 広報部リーダー
卒業 : 大阪大学文学部
出身地 : 愛知県名古屋市
誕生日 : 1990年7月14日
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