5月25日から27日にかけて「新世界」(大阪市浪速区)の100周年を記念してデザインとアートのイベント「ツムテンカク2012」が開催される。総勢200組以上のアーティスト、デザイナー、パフォーマーが参加する。約30種類あるイベントのなかで注目を集めているのが、大阪名物ともいわれる「おばちゃん」が活躍する「七人のオバハーン」だ。27日午後1時から同6時まで新世界全域に出没し、パフォーマンスを繰り広げる。
「大阪のオバハンの保護保全を目的とする」という団体「プロジェクトオバハーン」の企画で、7人のオバハン(大阪弁でおばさん)がパトロールをして困っている人を探して助ける。皆ヒョウ柄の服を着て、手には格安スーパーの袋を持っているのが特徴だ。道行く人に声をかけ、あめを配り、値切りの代行を行うなど、トラブルや相談事にとにかく介入する。オバハンは、人々の人生相談にも乗り、トラブルの際には電話で助けを呼ぶこともできる新世界の人々を守る存在だ。イベントのクライマックスでは新世界で「ある事件」が起こり、オバハンたちはさらなる活躍を見せるという。ちなみに、オバハンの正体については明かされていない。
「強烈な個性を持つオバハンは、大阪の文化を内外にアピールできる貴重な存在です。しかし、かつて大阪の町に数多く見られた濃いキャラクターのオバハンですが、今では見かけることは少なくなりました」と企画を担当する「株式会社 人間」代表取締役の花岡洋一さんは語る。大阪のオバハンの魅力を多くの人に思い出してもらい、大阪を活気づけたいというねらいもあり企画した。
イベント会場の新世界も普段訪れる人は観光客がほとんどだ。「笑いの町と呼ばれる大阪ですが、笑いをテーマにしたアートイベントは今まであまり行われていませんでした。この新世界をもう一度活気づけるためには、地元の人々をひきつけるユニークなイベントが不可欠。今回の取り組みが、その一助になれば」と花岡さんは話した。
関連ホームページ
http://tsumutenkaku.com/(ツムテンカク2012)
http://tsumutenkaku.com/topics/event/obahaan(七人のオバハーン)
【取材後記】
花岡さんの「自分たちは面白いものを作り続けるプレイヤーであり続けたい」という言葉がすごく印象的でした。取材を通して、笑いの持つ力や素晴らしさを改めて実感したのとともに「七人のオバハーン」のようなユニークな発想こそ今の世の中を少しでも明るくするために必要なものなのではないかと思いました。
(取材:学生通信社 関西学院大学 橋本翔一朗)
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