2012.07.11 16:34

人生を楽しく演出する講座を学生記者が取材

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記者:橋本翔一朗

人生は即興の連続だ。身にふりかかる出来事にその場で瞬時に応えていかねばならないが、多くの人にとって簡単なことではないはず。そんな人におすすめなのがインプロだ。即興という意味を持つインプロビゼーションの略で、その場で思いついた音楽の演奏や即興劇などを指す。伝える力を磨くことで、高いコミュニケーション能力を身につけることが可能だ。今回は、インプロ初心者で現役大学生の記者が、5月24日にセレンディーラボ淀屋橋(大阪市中央区)で開かれた「インプロ(即興劇)講座」と企画者の声を取材してきた。インプロは俳優養成の訓練で用いられることが多く、トレーニング用のゲームのプログラムが約500種類ある。取材当日も、相手のアイデアを受け入れ(Yes)、更に自身のアイデアも加え(And)自由な会話をする「Yes And(イエスアンド)ゲーム」が行われた。初対面の相手とのやりとりに最初は緊張していた、老若男女を問わず約15人の参加者が、次第にリラックスし、相手の目をきちんと見ながら笑顔でゲームに取り組んでいた。また、10人ほどでお題に合わせて一つの光景を作るゲームもある。この日は「シンデレラの舞踏会」というお題が参加者に課せられたが、10秒足らずで各自がシンデレラ、ダンスを踊る人、靴を拾う人など役割を分担し、光景を作りあげていた。グループ全体の連帯感が生まれることもインプロの特徴だ。参加者は「自分をきちんと表現し、相手も理解することができてよかった」「心が解放され、とてもリラックスすることができた」などと話していた。

 「私もインプロと出会う前は他人と自分を比較し、落ち込んでしまいがちでした。でも、ありのままの自分を表現することの楽しさと素晴らしさを知ったことで、自分を肯定できるようになりました」。講師を務めた大浦さやかさん(即興集団インプロモーティブ主宰)はこのように語る。大浦さんのインプロ歴は15年、現在までのステージ数は延べ450回を超える。「自分の人生、何かもの足りないなという人は、ぜひインプロを体験して欲しい」。言葉の背景にはインプロのように、参加者に自分の人生をどんどん楽しく演出していってほしいという思いがある。

 セレンディーラボ淀屋橋のディレクターを務める福尾葉子さんも「インプロを通して即興力を高め、柔軟な発想を身につけていってほしい」と語る。同施設は、都心で働く人々に仕事では得られない夢中になれることや新たなライフスタイルを提案している。インプロのほかにも「エレガンスマナー講座」や「ベリーダンス ワークショップ」などたくさんの講座を用意している。「毎日が家と会社の往復だけではもったいない。講座を通じ、少しでも人生を豊かにする人が増えたら」と福尾さんは語った。

(取材後記)
「私とあの人、どっちが大事なの」。こう恋人に問いただされたときに、世の中の男性はどう答えるだろうか。「インプロに出会うのがもう少し早ければ、今もあの人と関係は続いていたのかな」。取材後、記者が一番痛感したことだ。世の中の不器用な男性諸君、ぜひ一度インプロを体感してほしい。きっと、あなたの身を守ってくれるだろう。そしてもちろん大切な人に素直な気持ちを伝えたいあなたにも、インプロをぜひオススメしたい。

(学生通信社 関西学院大学 橋本翔一朗)

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記者プロフィール

橋本翔一朗

橋本翔一朗

役職 : 学生通信社代表
卒業 : 関西学院大学商学部
出身地 : 兵庫県姫路市
誕生日 : 1990年11月24日
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