HEAVENプランニング(大阪府河内長野市)は、「女性のキレイをサポートする」という理念のもと、女性下着の製造やインターネット販売を行っている。同社が掲げる理想像は、女性にとって働きやすい企業になることだ。「人間やる気があれば何でもできる」と語る松田崇社長に起業のきっかけや目指す企業像などを聞いた。――起業のきっかけは
「子供のころから商売がしたい、という夢があった。中学を卒業したのち、調理学校に進み、20歳のときにトラックの運転手になった。運転手を続けながらも、商売をしたい気持ちはあった。海外旅行が好きなのでよくアメリカに行って、現地で目にする大金持ちにあこがれた。商材を探していた29歳のとき、当時交際中だった今の妻とサンフランシスコに旅行した。そのとき訪れたフリーマーケットで、妻がある下着を見つけた。妻の喜ぶ姿を見たときに、これだと思った。事業を起こすのに勇気はいったが、このまま運転手を続けていていいのかと思い、2003年5月に起業した」
――立ち上げ時の苦労と転機は
「何もないところからのスタートだったので、資金が不足することも多かった。アルバイトをしながら成功を信じ昼も夜もないような生活だった。いつまでこんな生活が続くのかなと思っていた。転機になったのは3つの出会いだった。まずインターネットとの出合いが大きい」
「起業後半年くらいしてから、インターネット販売を始めたところ、徐々に成果が出てきた。次に商品との出合いだ。5年前に誕生した、胸の谷間を美しく見せる補正下着『不二子ブラ』は今も主力商品のひとつだ。『売れないのでは』というネット販売仲間の声をよそに、瞬く間に商品は売れた。最後は人との出会い。その時々において、人との出会いに恵まれていると感じる。応援してくれる人やいいスタッフに出会えたからこそ、今の自分があると思う」
――インターネット販売で心がけていることは
「インターネットはツールでしかないと思う。販売する側は必ず、顧客と向かい合うことが大事。当社は製造小売業というより、サービス業だと考えている。いい商品はもちろん、喜びと感動を顧客に届けないといけない。毎朝の朝礼の際、スタッフ間でサイトに掲載される顧客レビューの確認を行う。改善する個所はしっかり受け止め、励みの言葉は全員で共有する。現在、不況で商品が売れないといわれるが、工夫次第でなんとでもなる。ビジネスチャンスはいくらでもあるというのが個人的な印象だ」
――女性の働きやすさを目指すわけは
「当社は扱う商品の関係上、ほとんどのスタッフが女性だ。ただ、結婚や子育てを機に仕方なく仕事を辞めてしまうことが多い。働くことはその人の人生の一部だと思うし、女性だけがそれを奪われるのはおかしいと思う。だからこそ、従来の常識にとらわれることなく、女性が子育てをしながらでもきちんと働ける会社にしたいと思う。当初はお金持ちになりたくて起業したが、会社とは社会に必要とされるものでないといけないと感じるようになってきた。そのために、果たすべき役割は大きいと思う」
――今後の目標を
「3年以内に売上高10億円を達成すること。また海外展開を本格的に始めたい。クロスメディアとグローバルが今のキーワード。あらゆるメディアを巻き込みたいし、世界中に今のビジネスモデルを持ち込んで成功したい。キレイになりたい気持ちは、どの国の人でも一緒だと思う。だからこそ、感情に訴えかけていきたいと思う」
(学生通信社 関西学院大学 橋本翔一朗)
※「フジサンケイ ビジネスアイ」2012.8.20(西日本版)掲載
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