2012.11.07 20:06

“生命の源”安定供給一筋 きんぱね 奥西穂積社長

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記者:清水昭安

きんぱねは、ビルやマンションに設置された飲料水用の貯水タンクのメンテナンスや修理を約35年間一筋で行ってきた会社だ。「全ては、人々の生命の源である水を、安全に安定して供給する環境をつくるため」と奥西穂積社長(68)は語る。
通常、貯水タンクの平均寿命は約15年とされている。日頃のメンテナンスを怠ると、劣化が原因でタンクを取り換えなければならないことになる。そのような状態に陥った貯水タンクに、修理面の下地処理剤である特殊なプライマーを利用し、世界初となる繊維強化プラスティック(FRP)製品のリユース(再使用)工法を開発。経済的で高い耐久性で再生させることに成功した。

 「遊べなければ仕事じゃない。会社じゃない。人生じゃない」という同社の経営理念には、社員の心の「ゆとり」を大切にしたいという願いが込められている。奥西社長は「ただ単に仕事をするのではなく、楽しみながら仕事をすることで、社員の人生が輝き、会社も輝く。そのためには心のゆとりが必要」と話す。実際に屋上では同社の貯水タンクを利用した50匹程のタイが飼育されており、ユーモラスな一面もうかがえた。

 また個々の目標設定を行うための会議を月に2回実施。「何事にも目的意識を持って取り組み、そこから目標設定を行い、その目標に向かって社員自らが主体的に行動することを大切にしている」と奥西社長。社員全員にこの考えを浸透させるために、日頃から社員と積極的にコミュニケーションを取り、社員教育に励んでいる。

 現在34人が働いており、来年度は高卒と大卒合わせて4人程度の採用を予定。奥西社長は「真面目で、素直で、何よりポジティブな考え方を持っている人に来てほしい。最低限の知識は必要だが、大切なのはマインドに尽きる」と話す。

 就職活動中の学生に対し「とにかく自分が好きなことが関係した仕事を選んでほしい。安定性や給料ばかりに目を向けるのではなく、自分のやりたいことを大切にしてほしい」と話した。

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