オンキヨーマーケティングジャパン株式会社(東京都中央区)は11月上旬、新商品のスピーカー「i Lunar(アイルナー)」の発売を開始した。スイスのsonic emotion(ソニックエモーション)社が開発した信号処理技術を取り入れることで、従来にはない音の立体感が表現できるようになった。パソコンやスマートフォンに搭載されている無線通信技術「Bluetooth(ブルートゥース)」機能をもった機器であれば、ワイヤレスで操作が可能。スマートフォンがリモコン代わりとなり、手軽に「i Lunar」の音を楽しむことができる。10月下旬「学生通信社」のメンバー5人が株式会社PRリンク(大阪市中央区)の事務所で、この商品を体験した。音響設備のない鉄筋コンクリート作りビルにある事務所(広さ約33平方メートル)だが、ライブ会場のような迫力のある音や、耳を澄ましたくなるような深みのある音も感じることができた。実際に、インターネットでダウンロードしたコブクロの「轍」をこのスピーカーを通して聴いた。すると、ヴォーカルの声がバックサウンドよりも前に出ているように感じた。
スピーカーから一方向に届くのではなく、人の周りを回り込むように音が伝わってきた。本体の周囲に取り付けられた6つのスピーカーと下向きにつけられた低音用のサブウーファーからは、体にじんわりと響く音が体感できた。今まで聴き取れなかった音も聴こえ、それはアーティストやレコーディングの際のエンジニアが届けたかった音だろうと思う。
私は普段、パソコンやテレビで演奏や舞台の映像を観ながらクラシックを聴くことが多い。この商品のリスニングポイントを限定しないことを生かし、スピーカーとして使えば、実際に劇場で舞台を観ているような感覚になるかもしれない。他のメンバーからは「ワイヤレスなのに音割れがない」「音が移動する感じがした」という感想があった。メンバー全員が生で演奏を聴いているような、不思議な感覚になった。
「i Lunar」は家事をしながら音楽を聴く人から、お茶を飲みながらじっくりと音楽を楽しむ人まで、人それぞれの音楽スタイルに沿うことができる。同社営業企画課の湊口瞳さんは「難しく考えないで、オンキヨー製品を今まで使ったことのないお客様や若い世代にも気軽に体感してほしい。だからこそ、製品の利用方法を制限したくない。スタイルを決めずに、家に帰って電気をつけるように音楽をカジュアルに楽しんでほしい」と語った。
<i Lunar概要>
外形寸法:220(幅)×230(高さ)×220(奥行き)ミリ
重量:3.4キログラム。
店頭価格:35000円前後
色:ブラックまたはホワイトの2種類
(取材後記)
私は大学でプログラミングを学んでいます。そのプログラミングの技術が「i Lunar」では音の信号処理技術に使われているということを知りました。処理技術とは音を判断して、その種類によってスピーカーに出力する回路を分ける技術です。低音と高音、人の歌声とバックサウンドを判断し、別々のスピーカーから出力することで立体感が生まれるそうです。今、大学で学んでいることがどのように商品へ生かされているのかが、視聴した音の立体感から強く実感できました。いつもは端末に入れて、持ち歩く音楽を楽しんでいる人にも、ぜひ「i Lunar」を使用して新しい音の感覚を味わってほしいです。
(学生通信社 立命館大学 吉田怜奈)
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