「おいしいコーヒーを世の中に届けたい。コーヒーをおいしく飲んでもらうためには商品だけでなく、周りの環境や商品の新しい楽しみ方も重要。コーヒーを通じた豊かな暮らしを全社員で提案したい」と上島淳史社長(49)は話す。
1932年の創業以来、自社でコーヒーを製造販売するほか、喫茶店などへの業務卸、関西を中心としたフランチャイズ展開、コーヒーショップの開業・営業支援などに力を入れてきた。
さまざまな業務の起点となる経営理念の一つ「ともに人を育み、感動を分かち合います」の実現を目指す。
例えば、商店用にポップを作って顧客に感謝された場合、営業担当者からそのポップ作成担当者に感謝の気持ちを伝える社内の仕組みが育っている。「ありがとう」の声を直接聞くことで社員のモチベーションがアップし、同社が目指す全員参加型経営につながるという。
「全員参加型経営には一人一人が意見を出し合い、自ら行動することが必要だ。新入社員を教育する世代も含めて現在改善中である。経営者として自ら動きたいと思える会社づくりをしたい」と上島社長。
主力業務の卸売りでは、他業者の既存顧客を同社に移すことが営業の主流だったが、顧客が増えることすべてを営業の評価とし始めてから、成約率が向上しつつあるという。
新卒採用は2年前から実施している。新入社員が入社後すぐに辞めてしまったことがあったため、2、3回だった面接を5回にし、採用に関わる社員を増やした。他社との比較も含め、より同社のことを知ってもらうことで入社後のミスマッチを防ぎ、全社員がともに働く仲間のことを考えるためだという。
上島社長は「何のためにコーヒーを販売しているのか、ということをよく自問する。会社も成長過程であり、おいしいコーヒーを届けるにはずっと考えなければならない。学生に考えてほしいことは働く意味。その意味を考えると目的も明確化し、仕事に対して積極的になる」と話す。
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