起業したい、自分の能力をぶつけたい学生が集まる「Startup weekend」が11月16日から18日まで京都市下京区の「京都リサーチパーク(KRP)」で開催された。見ず知らずの参加者同士が、その場で知り合い、チームを組んで競うビジネスコンテストで、起業を目指す人々を支援している京都リサーチパーク株式会社が協賛企業として運営をサポートした。会場には関西各地から学生約50人が参加した。
この試みはこれまで、起業を目指す社会人やフリーランサーに向けて開催されていたが、今回は学生限定で開催された。京都リサーチパーク株式会社・営業推進部の寺戸伴光マネージャー(47)は「大人では想像もできないような学生らしい視点や思考が活かされたビジネスプランの創出に期待したい」と“限定”に踏み切った理由を話す。
事前にチームを組み出来上がったビジネスモデルを披露するビジネスコンテストとは違い、その場で知り合ったメンバー同士が3日で、ゼロからビジネスを創り出すのが特徴だ。結成されたのは9チーム。パソコンにコードを打ち込むことが得意なエンジニア、企画立案が得意なプランナーなど個々の好きな分野を噛み合わせ新しいものを作り出す。
試行錯誤の末に生み出されたビジネスプランはプレゼンで披露された。優勝したのは、読者が読み終えた本を全国の読者に送るシステムを開発した「bukmend」だ。顧客から本を提供してもらい、他の顧客のニーズに合わせて「bukmend」が本を選んでくれるシステム。提供した顧客はポイントを貰うことができ、そのポイントを使って新たな本を買うことができる。「本を出す側は家の本棚が片付くし、本を買う側は自分の知らないおもしろい本が手に入る。両者がハッピーになるシステムです」と4人のチームのリーダーをつとめた同志社大学4年、深見和樹さん(22)。「優勝して自信を持てたので、残り少ない学生時代でこのビジネスを軸として起業したい」と今後の目標を語った。
イベントに協賛し運営をサポートした同社成長企業支援部の澤村功夫さん(44)は「多種多様な人間が集まってそれぞれの能力を交えて創造できる環境づくりをできるようにコーディネーターとしての役割を担っている」と話した。
参加した学生はイベント終了後の交流会で、他チームやベンチャー企業の社長、過去の同イベントの優勝者を交えビジネスについて語った。「日本のイノベーションを関西、ここ京都から発信できる機会になってほしい」と澤村さんは話している。
今回取材させていただいたイベントにたくさんの刺激を受けた。見ず知らずの人とたった3日間でビジネスを作り上げるのももちろん、企画を作る人、デモンストレーションを作り上げる人、 プレゼンをする人など自分の得意分野を担当して最高のビジネスプラン立ててプレゼンする。チームの中には3日間でアプリを作り上げたチームもあった。
世間を見渡せば、ある能力が人よりも長けている学生がいる。世の中を作っていく人間というのはこういう人たちなのだと考えさせられた。ビジネスには興味はなくとも、こんなイベントを見に行くだけでも自分に何かを気づかせてくれるし、勉強にもなる。みなさんも、たまには気分を変えてこういったイベントに参加したり見たりしてほしい。
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