2014.04.22 11:58

【学生記者が行く】「ジオリゾーム」井上利一代表に聞く

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

記者:井上菜奈

1993年設立のジオリゾーム(大阪府吹田市)は、「持続可能な美しい街づくり」をスローガンとし、土壌汚染コンサルティング業、電線類地中化事業、太陽光発電普及事業を中心に環境ビジネスを展開している。「社名は『大地の根っこ』という意味。社会を支える『環境活性化業』を続けていきたい」と語る井上利一代表に、事業の現状や今後の展望を聞いた。


――環境活性化業とは

 「当社の事業名。『大地と街と人がより生き生きできる環境』の実現をめざして掲げた。土壌汚染の浄化と景観美化の両面から美しい環境づくりに取り組んでいる。2000年から土壌汚染コンサルティング業を開始し、土壌汚染の調査から対策工事まで当社の一元管理で行っている。13年3月に調査・浄化実績は3400件を突破した」

 ――電線類地中化事業に02年から取り組んでいる

 「新規一戸建て住宅地の開発時などに、電線類を地中に通し電柱をなくす計画を立て、その調整も行う。電力会社や行政、造成業者などとの連絡を施工に至るまでスムーズに取りまとめ、美しい街づくりに貢献する。10年に太陽光発電普及事業を始め、京セラ(京都市伏見区)が製造する太陽電池モジュールの販売や施工を手掛けている」

 ――代表としての苦労や努力は

 「父の急逝をきっかけに29歳で代表になった。それまで広告業に携わっていたため、全く畑違いの業界に突然関わることに。当初は日々の業務で手いっぱいで会社のマネジメントがままならず、利益も出なかった。『名刺に社長と肩書を書けば社長になれるわけではない』と身をもって感じた。それからは経営者の会合などに積極的に参加。環境に配慮した街づくりに関わるなか、さらに勉強が必要だと感じ、12年から大学院で政策科学を学んでいる」

 ――代表になってからの変化は

 「元から人前で話すことが得意ではなかったが、会社の代表になった以上、的確に意図を伝える技術が必要と感じ勉強を重ねた。現在では人材育成に携わる経営者の一人として、TA(交流分析心理学)やコミュニケーションスキルなどをテーマとするセミナーを全国で行うようになった。教える立場になり、新たな交流を経て、さまざまな人に支えられて生きているという謙虚な気持ちをあらためて持つようになった」

 ――そのほかの環境づくりは

 「社内を生き生きとした環境にするための取り組みを行っている。特に意識しているのは『明元素(めいげんそ)』だ。人材教育コンサルティングなどを行うヒューマンウェア研究所(東京都中野区)の清水英雄代表が提唱する概念で、『ありがとう』『お元気さまです』などの明るい感情がこもった言葉を指す。普段から前向きな言葉を使うことで、職場の雰囲気を明るくするよう心掛けている」

 ――インターンも受け入れている

 「自信が持てずにいる学生にセミナーの運営などを任せることで、足元を深く掘り下げ、自分の強みや特性を発見する機会を与える。学生の成長が将来的な社会貢献につながるだけでなく、社員一同がいい刺激を受けている」

 ――今後の展望は

 「長期的な目標としては『環境活性化業といえばジオリゾーム』と言ってもらえるようになりたい。ニーズがあれば海外に向けた事業も展開する。エネルギー事業に関しては、太陽光発電に対する政府や自治体からの援助が14年でいったん終わる。水力、風力といったエネルギーの普及事業も視野に入れる必要がある。独自の技術開発プロジェクトを開始し、環境活性化業の新たな柱としたい」

ギャラリー

記者プロフィール

井上菜奈

井上菜奈

役職 : -
在学中 : 武庫川女子大学文学部(2回生)
出身地 : 大阪府
誕生日 : 1994年3月15日
  • Facebook
  • Blog
  • Twitter

取材記事

ページの先頭へ戻る