2014.04.25 20:47

掃除でエコを実感

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記者:穴吹美緒

12月18日にグランフロント大阪(大阪市北区)で「くらしに役立つキレイセミナー」が行われた。主催はライオン(東京都墨田区)、積水ハウス(大阪市北区)ダイキン工業(大阪市北区)の3社。「住まいで『清潔・健康・きれい』な暮らし」をテーマに、掃除を通じて家庭で気軽にできるエコを紹介した。年末の大掃除に生かそうと、主婦など34人が参加した。


空調機器などを製造するダイキンは、エアコンと空気清浄機の手入れについて紹介した。「人は1日に20㎏(ごはん約100杯分)の空気を吸っている」という発表者の言葉に、参加者は驚きの声を上げた。空気中には、花粉やペットの毛、PM2.5などの目に見えない汚れが漂う。性能をフルに生かすためにも、機器のプレフィルターは2週間に一度掃除することが望ましい。冬場はエアコンと空気清浄器を対に置くことで空気が循環して効率よく部屋を温められるといった節約のコツも紹介された。

洗剤や石鹸などパーソナルケア用品を取り扱うライオンは、浴室のカビ対策について紹介。汚れを敵に例え「敵を知ること・敵に隙を与えないこと・明日の敵は今日の友」といった3つの心得を伝授した。洗い流した体の汚れには油分が多く含まれており、カビの繁殖の原因になる。使用後に温かいシャワーで油分を流した後、冷たいシャワーで浴室温度を下げることで、カビを防止できる。「毎日の少しの工夫が、水や洗剤だけでなく時間の節約にもなります」と発言者は話す。同社の研究によると浴室の天井には目に見えないカビの胞子が潜んでおり、カビが広がる原因となっている。見落としがちな天井の掃除を呼びかけた。

住宅やマンションの建設・販売を手掛ける積水ハウスは、床の手入れについて紹介した。市販されている補修用のマニュキアを使用して、フローリングのこすれ傷・陥没を修復する方法を実演。床を長持ちさせるため、ワックスのかけ方についても説明した。ワックスの成分は水分と樹脂とポリマーで、水分が抜けることで被膜が作られる。乾燥した天気の良い日を選ぶときれいに仕上がりやすい。「ワックスは夫にやらせてください。大げさに褒めることが重要です」との発表者の言葉に、会場は笑いに包まれた。

3社は環境省認定の「エコ・ファースト企業」だ。よりよい暮らしをめざすという共通の目的のもと、ライオンの主導により連携が実現した。エコ・ファースト企業とは、地球温暖化や廃棄物への対策など環境活動を先進的に行う企業のことで、現在41社が認定を受けている。2009年から自主運営組織「エコ・ファースト推進協議会」が発足し、企業同士が分野を超えて協力しながら、認知度の向上などに務めている。

ライオンの飯田教雄(いいだ・のりお)CSR推進部長(55)は「エコは官民だけでは成り立たない。一人ひとりの実践が決め手だ」と話す。普段のこまめな掃除は、快適な暮らしだけでなく資源の節約や長持ちにもつながる。年末の大掃除から、家族でできるところからエコをはじめてみてはどうだろうか。

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記者プロフィール

穴吹美緒

穴吹美緒

役職 : -
在学中 : 大阪大学文学部(3回生)
出身地 : -
誕生日 : 1992年10月14日
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